相続株式の評価方式

2017-09-19

亡くなった夫が所有していた株式を妻が相続した場合,その株式の価値をどのように評価するかで,相続税の申告が影響を受けます。相続により取得した株式が上場株式であれば,「株価」が判明しますので問題はありませんが,取引相場のない株式であった場合,どのような基準で算定すればよいのでしょうか。

この点に関し,財産評価基本通達という通達が定められていて,「取引相場のない株式」の価額は,問題となっている株式の発行会社の規模によって,評価方法の原則が定められています。

例えば,規模区分が大会社に区分される会社の場合,原則として,「類似業種比準価額」よって評価するとされています。これは,類似業種の株価を基に,配当金額,利益金額,純資産価額の3つを比べてして評価する方式です。

ところが,これには例外があり,一定の要件を満たす場合には,配当還元方式という方法が用いられます。これは,株式を所有することによって受け取る配当金1年分を一定の利率で還元して元本である株式の価額を評価するものです。

この点に関し,納税者側と税務者側で主張が対立するケースについて,先日,東京地裁で判決が言い渡されたと報じられています。訴訟の争点は,例外的方式が認められるか,具体的には,「同族株主以外の株主等が取得した株式」といえるかという細かい解釈論の争いになったようですが,このコラムで着目するのは,ずばり,評価額の差です。

報道によると,問題となった株式の価額について,税務署の主張する類似業種比準方式であれば1株2292円。

これに対し,納税者側が主張する配当還元方式であれば1株75円。その差は30倍を超えます。同一の株式の価値が評価方式が異なるとここまで差が生じることもあるのですね。この訴訟では,納税者側の主張が認められたとのことです。

 

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(hy)

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